あじさい便り、

気になる日々の出来事、あららな体験をを語ります

メイド喫茶で試合に勝った話

 僕はぶっちゃけオタク寄りの人間であるアニメはかなり観るほうだし、ゲームもよくするだが、未だにオタクの聖地である「秋葉原」には行ったことがなかった。ある日急に思い立ち「よし、アキバに行くぞ!」と一人夏の日に思い立った。だが僕は今まで原宿やら渋谷という大都会に出たことがなく不安がいっぱいだったため、どうにか付き添いが欲しかった。そこで友人たちに「行こう!行こう!」と誘うのだが、やはり、普通は行きたくないのか、断りのメールが届くだけであった。そんな中一人「いいよー」と間抜けな返事をする友人がいた。その子は僕の友人の中でもかなりリア充チックなハンサムガイで「こいつか、、でもこいつと一緒なら僕も変人とは思われない。」こんな偏屈な考えでそのハンサム野郎のY君と「アキバ」に行くこととなったのだ。

 そんなこんなでついに当日、僕らは駅で待ち合わせ、電車に乗り込んだ。Y君とは以前やっていた時に知り合った友人で意外と気があうので話は盛り上がった。楽しい時間は早いもの、すぐに「アキバ」についた。

 「うああ、UTXのある!」僕は駅から出るなり、軽く叫んだ。ちなみにUTXとは「ラブライブ!!」にでとくる学園のことである。他にもガンダムカフェ、そのときちょうど僕はガンダムシリーズにはまっていたため、そこで売っていた、「ビームサーベル傘」を本気で買うか悩んでいた。この光景、日光でも見たな。だが、今回は持ち金も少ないので、買い物は慎重にならねばなるまい。名残惜しい「ビームサーベル傘」を置き、店を出た。

 そこから歩き、観光して回る。ネットでよくみる「ソフマップ」もあったし、でかい電気屋もあった。中でもフィギア屋さんはY君も興味津々でパンツ丸見えのフィギアを本気で買うか迷っていた。「この子を部屋に飾ったら彼女怒るだろ。」僕は軽い気持ちで尋ねた。なのにY君は「なんで女ってこんなんで怒るの?本当にさあ、、」恋愛経験の薄い僕には痛い答えだった。

 そこでもなんだかんだで買わず、店を出た。もうちょうどお昼時、何か食べたかった。「やっぱりさ、アキバきたんだしメイド喫茶行こうよ。」僕は聞いた。「あ〜あ、いいねえ。めっちゃ行きたかった。メイドさんおさわりありなのかなあ?」こいつは本当に欲望に素直な奴だ。でもそんなこいつだから彼女がいるのかもしれない。少しは真似しようと思う。

 アキバではメイドさんが呼び込みで結構立っている。僕らはメイドさんにチラシをもらい、お店を決めようとした。その時だった。「どこかお決まりだにゃ〜❤️」突然背後から声をかけられた。音に弱い僕は一人「アラマシーャ!!!」と急にアラビア語を話し出した。一人ビビる僕をよそにY君はメイドさんと話をしていた。落ち着いて見るとこのメイドさんなかなか可愛い。友人の口元はニヤリッと笑っていた。「こいつ、大丈夫かな、、」僕は警察沙汰にならないことを祈るばかりだった。

 結局、そのメイドさんに連れられ「めいどりーみん」というお店にした。エレベーターに乗り、扉が開きさて入店、(こっこれは、、、文化祭かな?)。失礼ながら、思ってしまった。本当に椅子と机を取り除いて装飾を施した教室のようなのである。確かに学習机が置いてあるわけではないが、ニトリとかで売ってそうなやすそうな机と椅子が並べてあるだけなのである。設備としてのクオリティが予想とあまりに違い、「おい、これはずれの店なんじゃないの、、、」とY君に尋ねた。しかしY君はそんなことはどうでもいいかのように、メイドさんを見てはニヤリとしていた。

「おかえりなさいませ❤️ ご主人様❤️」可愛さ3倍の女の子にこんなことを言われたもうさっきの「ハズレかな?」なんて考えは吹き飛んだ。でも、僕は、女の子に「おかえりなさいませ❤️」なんて言われたことなかったので、ただただ照れながら席に向かった。

 席に着き、メニューをもらい、料金システムやお店の設定の説明を受けます。簡単に説明すると、僕たちご主人様は、夢の国に来たお客さんであり、メイドさんたちと遊ぶ。文面だけで見るとなんかいかがわしいな。

 僕は、初めてだったので、写真撮影、キーホルダーかカチューシャのどちらか、ケーキのセットを注文した。僕はまだ照れていたので、キーホルダーを選んだのだけど、一緒に来た友人はカチューシャを選んでいた。

 そんなこんなで、ケーキが来るまで、メイドさんたちとおしゃべりしながら楽しんだ。その時、お店の貸し出しのカチューシャをつけてもらうのだが、これが案外僕に似合っていた。「おいおい、こんなに俺って乙女だったのか、、」つけてもらって、先ほど、キーホルダーを選んだことを後悔した。

 ついにケーキが完成したらしく、メイドさんが持ってきてくれた。「へー、意外とうまそうじゃん。そんな失礼なことを思いつつ、ケーキがもっと美味しくなる魔法をかける時がやっていた。「一緒に魔法を唱えてね❤️」鬼畜か、、てっきりメイドさんがかけてくれるものだと思っていた。僕はまだ照れがあったので「えっ、、」と思いつつ、一緒に唱える魔法を覚えた。

 「じゃあ、せーの❤️」

 「おいしくなーれ❤️、萌え萌えにゃん❤️」

 郷に入っては郷に従えその言葉通り、僕は全力で萌え萌えした。友人はのんきに動画を撮っている、今度、バイト先の先輩に見せるらしい、、

 僕は、燃え尽きていた。いや、萌え尽きたかな、なぜかそこには、達成感があった。「なんだろうこの感じ。なんかに似ている。」

 わかった、部活で試合に勝った時の達成感に似ている。じゃ僕は何に勝ったのか、そう、「自分自身」だった。恥じらう自分を乗り越えた。僕は達成感でいっぱいになった。それを横目に友人は難なくにゃんにゃんしていた。恐ろしいやつである。

 エネルギーを使った脳は、糖分を欲していた。目の前にある魔法がかかったケーキを見て「なるほど、よくできたシステムだ。」僕はニヤリと一人で笑った。ケーキは普通に美味しくて、隣にチョコソースで描かれているメイドさんの絵はとってもかわいかった。

 そして、メイドさんたちのパフォーマンスタイムが始まるようだった、ご主人様たち全員にペンライトが配られ、少し装飾の施されたステージでは今日歌ったり、踊ったりするメイドさんが用意をしていた。そして、音楽がかあり始め、ついに、始まった。振り切れていた僕はペンライトをブンブン回し、合いの手を全力でした。みんなで文化祭みたいな店内をグルグル走り回ったりした。

 楽しかった。学生時代のようにただ楽しいことを全力でやる。こんな大事なことを忘れていた僕にメイドさんたちはそのことを気づかせてくれた。「これは感謝だなあ、、もうメイドさんたちに足向けてねれないよ、、」そんなんことをしみじみと感じつつ、パフォーマンスタイムがおわり、僕たちも時間が迫っていた。

 今日あったことに感謝しつつ写真撮影、猫のポーズをとるのにもう躊躇はなかった。可愛らしいデコレーションをチェキにしてもらい、お会計に向かった。

 「いい体験だったなー」なんて、思いながら財布を出した。

 レジに表示された、金額を見て僕は、現実に帰った。